【第八回】六本木蔦屋書店とのコラボ 偏愛を語るの巻

前回の顔合わせに続き、二回目のミーティングです。磯部店長と、文具担当の木村さんのお二人と偏愛チームで、具体的な中身作りに入りました。

まずは、蔦屋チームが考えてきたアイデアをもとに、木村さんが語る語る――香りを体感する、革の経年変化を楽しむなど。それぞれにまつわるディテールの知識が半端じゃないのです。おもしろがって聞いていると、裏から現物も次々と登場。クロコダイルのスーツケースのごつい迫力にびっくりしたり、万年筆のブランドごとの使い続けていく価値に、「なるほどそういうことだったのか」と勉強になったり、木村さんオンステージのようなおもしろさでした。

しかも、木村さんの語り口は、滑らかなのに句読点がないので、長文のコメントが続く。でも、なぜか聞き入ってしまう。アッという間に時間が過ぎていく感じです。そして偏愛な人の大半がそうであるように、話の半分くらいは、「一般の人が聴いてもあまり興味がないこと」。なのに、聞かせてしまうのは、愛の磁力が強いのだと思います。でもきっと、普段の木村さんは、誰にでもこの濃いおしゃべりをしているわけでもありません。客商売ですから、相手の方のまとっている空気を読んで突っ込んだり突っ込まなかったりだ思うのです。

その魅了を活かし、お客さんの目から見て「楽しい」「おもしろそう」に持っていくにはどうしたらいいのか。映画や本とやっぱり結び付けていきたいなど、あれこれおしゃべりが弾みました。

次回は偏愛チームがひとひねりして、「こんな風にしたら楽しくなるかも」案を持っていくことに。せっかくおもしろい話をいろいろ聞けたのだから、これをもとに、「お客の目線から見て」しかも「蔦屋のヘビーユーザーでない人も含め」と、欲張りな想像が広がっていきます。ワクワクできるアイデアが出てくればいいのだけれど。

次回の実録で、そのあたりの報告、できればいいと思います。