【第十七回】実録偏愛百貨店　いよいよ売り場のイメージ！の巻

　いよいよオープンまであと２ヶ月ということで、今回の打ち合わせは、皆で実際の売り場を見てから話し合いに入った。

９月２８日から一週間、「新宿伊勢丹×偏愛百貨店」が登場するのは、５階のエスカレーターを上がってすぐのプロモーションスペース。目につきやすい、入りやすい素敵なスペース――ここで売り場を作れるなんてありがたい！

過去にも何度か伊勢丹新宿店とコラボしてきたが、こういう仕事をしていて、自分がかかわった売り場を持てるってワクワクする。伊勢丹チームから、「ここはこんなものを置いて」という意見が出て、偏愛チームから「看板みたいなものはどこに記そうか」と相談が出て、話し合いも勢いが増してきた。私たちが選んだ商品を、私たちが作ったストーリーと一緒に置いたら、どんな風になるだろう？　想像を巡らせると、どんどん楽しくなってくる。

　その後、商品や販促関連の進捗状況についてのミーティング。以前の打ち合わせでアイデアを出していたコラボ商品の進み具合なども――。こういうテーマだから、この作り手さんと、このクリエイターを組み合わせたら、どんな商品ができるだろう？　それって、自分も欲しいし、お客様にとっても魅力的かも――そんなアイデアがかたちになっていくって、物凄くおもしろい。ただ、ビジネスだから、作りたいものを作ればいいという話ではなく、私たちが考えたストーリーをきちんと伝え、お客様に納得してもらって喜んでもらう。そこまでやり切ることが目標と気持ちを戒める。

そしてつくづく思うのは、百貨店のバイヤーの方々は、それぞれ偏愛を持って仕事にのぞんでいること。当たり前と言えば当たり前だけど、それが、普段の売り場にもっと滲み出ていたら、もっと魅力的になるのかもしれないなんて、勝手な想像が及ぶ。

　人はそもそも、何らかの偏愛を持っているものだし、それを出してみるのは嬉しかったり楽しかったり――そして共感してもらって、誰かを喜ばせることができたら、もっと嬉しくなる。そんな循環が生まれてきたらいいなあ。それが「偏愛百貨店」と改めてかみしめた。