【第二回】ビームスジャパンとのコラボイベントで「困った」の巻
偏愛百貨店」の立ち上げイベントは、ビームスとのコラボによる「『偏愛百貨店』meets『BEAMS JAPAN』」となりました。
ビームス側のチームリーダーは佐野明政さん。Ifs未来研究所時代に「ニッポンの神ギフト」というコラボイベントをやった時、大変、お世話になった方です。これなら大丈夫と、相手に頼ってしまうのが私の悪いところ。ビームスチームとの初回ミーティングは、その甘さがたたりました。
私は「偏愛をテーマに、何かおもしろいことができれば」くらいのゆるい枠組みしか考えていなかったのです。言い出しっぺがそれでは、ミーティングが盛り上がるはずがない。場の空気がしんとしているので「どうしよう」とオロオロでした。
バイヤーさんの偏愛や、川島の偏愛を伝えるというアイデアも出ましたが、この時期に両者が組んでおもしろいことをやる。その勘所をどこに置くのか、腑に落ちない感がありました。
どんより話をしていく中で、「リアル接客の『偏愛』って、この時期だからありでは」という意見がぽつりと出たのです。途端、空気が変わりました。「それいいかも、コロナのこの時期だから、あえてあり」と、皆の心がビリビリ動く感があったのです。
思い返せば、接客の「偏愛」にまつわる経験って結構あります。少しのつもりで接客を受けたら、そのまま「偏愛」接客になり。少しうざったいと思いながら耳を傾けているうちに惹き込まれ――そうやって手に入れた服は、着る度に「偏愛」接客を思い出す。そして、くすっとしたりじんわりしたりする。
これはイケると思いました。”愛のある接客って何だろう”をテーマに、コラボイベントを行うことにしたのです。「偏愛」にあふれたショップスタッフが登場し、一押し商品をお勧めする。さあこれからと、チームの気持ちは盛り上がりました。(次号に続く)