【第十九回】「伊勢丹新宿店」とのコラボ 振り返りの巻
半年ほどかけて準備した「偏愛百貨店」と「伊勢丹新宿店」とのコラボが終わり、チーム全員で集まって、全体を振り返るミーティングを行った。
今まで訪れていた人とは異なる層も含め、幅広いお客様が訪れてくれたこと、かっちりし過ぎないくくりで品揃えすることで、少しユニークな売り場ができたことなど、皆で狙った課題に対し、答えが見えたところがあった。
その一方、チームが意図したことが、必ずしも伝わりきっていなかった。もっとジャンプして「偏愛」に傾けたところがあって良かったのかもなど、「もっとこうしたら、もっと良くなったのに」という意見が出てきて、明るい会になったのがありがたかった。
久しぶりに伊勢丹新宿店と組んでみて、改めてデパートの持っている信用や信頼といった価値観は、これからの時代も消えることなく愛されていると実感したし、バイヤーのメンバーはじめ、世の中にある良いものを発掘して、使い手に伝えてつなぐ役割は、デパートの使命として健全に働いているとつくづく。。。デパート好きの私としては、少しホッとする思いだった。
企業にいると、新しいことに挑戦した後、とかく「反省会」と題して、ネガだったところを拾い、次はそこを改善しようということになりがち。それはそれで大事なのだけれど、せっかく明るく楽しく進めてきた企画が、最後に暗く真面目なイメージで終わるのがもったいないと感じてきた。
でも今回は、水谷部長が率いるチームの面々が、礼儀正しく、でも笑顔をたやさず、楽しみながらやってきた姿勢を、最後まで通せたのが嬉しかった。
「偏愛百貨店」の外部とのコラボレーションも、これで第三弾が終わったところ。毎回、異なるメンバーと、異なるテーマのもと、異なるコラボを続けていて、ノウハウやセオリーが蓄積されたり、効率が上がったりということを気にせずに進んできた。不思議なプロジェクトだとつくづく思うけれど、それが私たち「偏愛チーム」の持ち味であり、次もまたその次もおもしろがってやれる限り、続けていけるような気がする。
今回の伊勢丹チームに心より感謝しながら――。世の中に、もっと「偏愛って楽しい」ムードが広がっていったらいいと考えている。