【第十四回】いよいよ売り場の柱作りへとゴー!の巻

どの仕事もそうだけれど、ミーティングの回数を重ねるにつれ、メンバーのキャラが見えてきて、皆が意見を言いやすくなってくる。やりとりの中で、「そうそう」とか「でもそれってね」と、触発される意見が出てくるのはいいなと思う。大企業にいると、会議という名のもと、延々と報告が続く会議もいっぱいあるから――。

と余談はさておき、今回のミーティングも、それぞれが知恵を出し合い、秋に向けてのコラボイベントの柱作りをした。前回、それぞれのメンバーが持ち寄った商品の数々を、ただ並べるだけでは、ただの「偏愛の集合体」になってしまうかも。それもそれで楽しいのだが、もう少しくくってみた方が、訪れる人にも私たちにもわかりやすいのではと、アイデアを出し合った。

 こういう時は、キッパリしたコンセプトのもと、理論理屈に整合性があって破綻がない言葉を出しがちなものだが、私たちはあえて「ふわふわ」とか「ほっこり」とか、やわらかい言葉で表現しようと試みた。

皆であれこれ話しながら、あーでもない、こーでもないと(意外と真面目に)考えていく。私は物書きの端くれだから、もう少し語彙があって、良い意見を出せるかと思いきや、知恵も技術も足りない。ちょっと「トホホ」だった。

が、メンバー同士で言い合ううちに、「ま、これでいけるかも」という言葉が見えてきた。これらをもとに、次回は実際の商品と結びつけてみて、売り場のゾーニングができるかどうかを検証してみることに。

出来上がった時の売り場を思い描きながら、プランを考えていくのはちょっとワクワクする。これから実施が近づいていくと、きっともろもろの問題が出てきて四苦八苦しそうなのもわかっている。けれど、ワクワクがどこかにあれば大丈夫。

そう言い聞かせながら、伊勢丹はもとより、色―んな売り場を巡っている。そして、「だって好きだからこの業界に入ったのだから」と自分に言い訳しながら買い物している。うーん、これでいいのだろうか。